KH法を用いた研究・発表など [戻る http://www.psystat.com/kasai/ ]
研究者が一人か複数か、研究対象となる資料が単数か複数かに基づいて、KH法では次のように研究形態を分けています。第一形式は、いわゆる質的アプローチの究極の形ともいえる研究形態であり、たとえば、病跡学などではこの第一形式となるか、あるいは複数の資料を用いることが多いことから第二形式という位置づけになります。
第三形式は、言語的資料を極めて厳密に分析していく際にとられる研究形態で、実際にこうした形態になることは極めて限られているといえます。
なお、表面的には「一人の研究者」が担当している「第一形式」の研究であっても、指導者や共同研究者などによって適宜、指導や指摘を受ける状態での研究は、状況的には第三形式的な意味での「第三者性」あるいは「トライアンギュレーションtriangulation」を含んでいると考えられるため、実質的には(潜在的に)「第三形式」となっている場合があります。
第四形式の研究は、<複数者から得られた複数の言語的資料>を対象とするものです。すなわち、ある研究テーマについて「一人の対象者から一つの言語的資料を得ている」ことから、複数者による複数個の言語的資料が研究対象となるわけです。
(「一つの言語的資料」とは、「ひとまとまりの…」という意味で、KH法「カード布置」の対象となる「ひとまとまりのカード群」を「一つ」と捉えています。)
- 第一形式 「一人の研究者が、ある一人を対象として、<一つの言語的資料>に基づいて行う」
- 第二形式 「一人の研究者が、ある一人を対象として、<複数の言語的資料>に基づいて行う」
- 第三形式 「複数の研究者が、ある一人を対象として、一つの資料に基づいて行う」
- 第四形式 「一人の研究者が、<複数者から得られた複数の言語的資料>に基づいて行う」
なお、研究形態としてよく用いられる第四形式では、少数事例を用いる場合と多数事例による研究とがあるため、以下で説明を加えています。 ↓
第二形式・第四形式における「少数事例・多数事例での分析の要点」
- 佐野友泰・浦田暁菜 「バウムテスト・S-HTP法の地域差に関する検討― 北海道・沖縄学生の相違と居住年数による影響について」
- 第37回日本芸術療法学会発表抄録集,p.46, 2007
- [KJ法的カード化空間配置・数量化理論T類]
- 二本柳玲子「血液透析を受ける女性の体験の一考察〜関連性評定質的分析(KH法)を用いて〜」
- 日本看護研究学会北海道地方会 2008
- [KH法第一形式(対象者1名)・数量化理論V類]
- 上平悦子・佐伯恵子・木村洋子「妻を介護する夫の希死念慮と介護生活における思い」
- 日本精神保健看護学会第18回大会 2008
- [KH法第一形式(対象者4名)・数量化理論V類]
- 佐野友泰「コラージュの作品印象と制作感想に関する検討」
- 日本心理臨床学会第27回大会発表論文集(掲載頁:8月頃決定). 2008
- [KH法・数量化理論T類]
- 大鳥富美代「2型糖尿病患者における自己管理行動と問題解決スキルの関連性について」
- 大阪府立大学大学院看護学研究科(修士論文)2007
- [KH法第四形式(対象者105名)・数量化理論V類・数量化理論T類]
- 畑野美智子「子どもを亡くした母親の悲嘆に関する研究―中年期に一人しかいない子どもを小児がんで亡くした母親との面接を通して」
- 札幌学院大学大学院臨床心理学研究科(修士論文)2007
- [KH法第一形式(対象者3名)・数量化理論V類]
- 川村幸大「大学生の援助行動を規定する要因に関する研究―関連性評定による質的分析と多次元共感性分析による量的分析から」
- 札幌学院大学大学院臨床心理学研究科(修士論文)2008
- [KH法第四形式(対象者100名)・数量化理論V類・数量化理論T類]
- 竹内恵「セクシャリティにおける悩みと羞恥心に関する基礎研究―大学生へのアンケート調査とピアエデュケーション経験者へのインタビュー調査を通じて」
- 札幌学院大学大学院臨床心理学研究科(修士論文)2008
- [KH法第一形式(対象者3名)・数量化理論V類]
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